豊田おいでんworks お役立ちコンテンツ 就職・転職・辞職に関しての記事 技能検定制度でモノづくりの世界へ 金型製作技能士になって道を究める

技能検定制度でモノづくりの世界へ 金型製作技能士になって道を究める
2021年10月23日
就職・転職・辞職に関しての記事

目次
自動車、家電、パソコンから飲料の缶まで。金属や樹脂でできた工業製品の生産に使われるのが金型です。 金型づくりには特別な技術が必要で、その習熟度を証明する国家資格が、金型製作技能士です。は、豊田市周辺に多い自動車の部品工場などでも非常に重要な役割を担っている金型製作技能士の仕事と資格試験について見ていきましょう。
金型製作技能士とは
大量生産に欠かせない技術
金属・樹脂などを素材として生産される工業製品のほとんどは金型を使って作られます。同じ形の物を速く成形できるので、大量生産には欠かせない技術と言えるでしょう。
金型製作の技術によって製品の見た目も品質も大きく変わるので、デザインや性能に大きな影響を及ぼします。金型製作技能士の資格を持つことで金型製作の技術力が優れていることをアピールできます。
間接的メリットも
製造業において重要視されている金型製作技能士の資格は、間接的にもいくつかメリットがあります。その一例として職業訓練指導員(機械科)になるための実技試験が免除されます。それだけの技術指導力を認められているからこそ生まれるメリットでしょう。
金型製作技能士の試験内容
受験の条件と試験の構成
金型製作技能士は、特級・1級・2級に分かれています。
2級の受験は「金型の実務経験が2年以上」の人が対象。1級の受験には「7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験」が必要です。 試験には、学科試験(筆記テスト)と実技試験があります。100点満点のうち、学科試験では65点以上、実技試験では60点以上なら合格になります。
1級および2級の学科試験
学科試験は◯×問題、および4つの記述から正しいもの、または誤っているものを1つ選ぶという形式で50問出題されます。試験時間は1時間40分です。 内容としては「金型一般」「金型製作法一般」「金型用材料」という3つの分野から金型に関する知識が問われます。
金型一般:金型の種類や構造、用途についての基本的な知識 金型製作法一般:金型を加工するための機械や切削工具、手工具の種類、構造、機能、用途についての知識 金型用材料:金型に用いる材料の種類や成分、性質、用途に関する知識
周辺知識・その他の問題
また、金型を製作するときに関わる必要な周辺知識も出題されます。
ネジやモーターなどの機械の細かい部品に関する「機械要素」。 力や重さを加えると材料がどう変形するかを予測する「材料力学」。 電気設備に関する用語の知識を確かめる「電気」、設計図を書く方法について問う「製図」、安全に作業するための「安全衛生」などがあります。
その他、選択科目として「プレス金型製作作業」と「プラスチック成形用金型製作作業」、いずれかの特殊な作業技術に関する問題が出題されます。
1級および2級の実技試験
実技試験はプレス金型製作作業、またはプラスチック成型用金型製作を選んで行います。 審査される点は、おもに「金型部品を切り、削る加工ができること」「複雑な金型の組立・調整ができること」「金型の製品や外観の検査ができること」「作業時間の見積もりができること」の4点です。
プレス金型製作作業はこれらに加えて「金型を試しに使用して調整ができること」「材料の硬さを調べられること」が審査されます。 初心者や未経験の人は、製造現場で実務経験をとおして基礎を理解し、まず2級の取得を目指しましょう。
特級の試験
特級は指導者向けの資格なので、受験条件は「1級合格後5年以上の実務経験」が必要です。 基本的な金型工の知識や技術について問われる1・2級に対して、特級は責任者としての知識や技術が問われ、学科でも実技でも、生産の流れから日程、役割、在庫管理などの「工程管理」、および、安全衛生に関する知識を問う「安全衛生管理および環境の保全」、さらに「作業指導」「設備管理」など、責任者としての実技が試されます。
受験の申請時に注意すべきポイント
受験申込方法・受験手数料
JAVADA(中央職業能力開発協会)から受験申請書を取り寄せ、必要事項を記入して直接または郵送で申請をします。 平均的な金額は、学科試験には3,100円、実技試験には17,900円です。ただし、都道府県ごとに料金が異なるので、各都道府県の職業能力開発協会HPで確認しましょう。
願書受付・試験日程と合格発表
試験を受ける機会は年に2回あります。前期は4月上旬から4月中旬、後期は10月上旬から10月中旬が受け付けなので、自分のスケジュールに合わせて受験期間を選択します。 試験日程は、前期は実技試験が6月上旬から9月中旬の間に、学科試験が7月下旬から9月上旬の間、合格発表は10月上旬。後期日程では12月上旬から2月下旬の間に実技、1月下旬から2月上旬の間に学科が行われます。合格発表は申し込みから約半年後になります。
モノづくりの決定力となる金型
製造業にとって金型とは製品のコストダウンを実現し、納期を短縮でき、生産スピードを上げ、高精度の製品を作る重要な技術です。また、新しい製品の開発においても金型は大きな役割を持っており、金型製作技能士は貴重で、将来的にも活躍を期待されています。