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【資格紹介】「ガス溶接技能者」の強みと取得方法
2021年08月30日
就職・転職・辞職に関しての記事

「溶接」といえば、防塵マスクをかぶり、火花をバチバチ散らしながら作業する姿を想像する人も多いのではないでしょうか?確かに、火花を散らしながら作業をするのも溶接ですが、今回注目するのは「ガス溶接技能者」という火花が散らない溶接の資格になります。
今回はこの記事では、
・ガス溶接技能者はどんな資格?
・ガス溶接技能者の強みと取得後の仕事について
・ガス溶接技能者の取得方法
などについて、説明していきます。ガス溶接技能者は未経験でも取得しやすい資格です。どの資格を取得するか迷ったら、検討してみてはいかがでしょうか?
ガス溶接技能者はどんな資格
ガス溶接技能者は、プロパンやアセチレンといった可燃性ガスと酸素を用いて金属を溶かし、溶接や溶断、加工をして金属同士の接合作業をおこなうための資格です。建築業界を中心に幅広い活躍が期待できます。労働安全衛生法によると、ガスを使用した溶接作業をするには、ガス溶接技能者の資格を取得が必須とされています。
また火花をバチバチ散らしながら溶接をする、溶接作業の代表ともいえる「アーク溶接」と「ガス溶接」は使用する設備や溶接方法が異なります。ガス溶接の特徴としては次の5点が挙げられます。
・接合部分を確認しながら作業を進められるため、溶接不良になりにくい
・温度調整がしやすいため、細かい溶接にも対応できる
・割れやすい物や薄い物を溶接する場合に向いている
・異なる金属の接合ができる
・融点が低い金属の接合ができる
アーク溶接を含むほかの溶接方法と比べて温度が低い溶接になるため、薄い金属を接合するには向いていますが、分厚い金属を接合するには適しません。作業現場によって、必要な溶接技術は異なるため、現場に合った溶接資格を取得している必要があります。
溶接の作業をおこなうための資格はいくつかあり、扱う金属や設備によって分けられています。その中でもガス溶接技能者は溶接資格の入門編であり、取得難易度が低めに設定されています。入門編といっても、ガス溶接技能者の仕事は可燃性ガスを使用するため、作業には危険が伴います。引火して爆発する危険性もあるため、よく注意して扱わなければなりません。
ガス溶接技能者の強みは?どんな仕事に就けるの?
ガス溶接技能者は大きな建造物を建築する際には、必要になってくる仕事です。都市開発や名所になりえる大きなプロジェクトに参加できるとなれば、大きなやりがいを感じられそうです。
近年だと溶接作業には溶接ロボットを導入している工場も増えてきています。「ガス溶接技能者としての需要が今後なくなるのではないか」という不安の声もありますが、心配はありません。溶接ロボットは細かい複雑な作業には適しておらず、細やかな作業が必要となる部分にはまだまだ人の手が必要。今後も一定の需要は確保できると期待していいでしょう。
ガス溶接技能者の資格を取得した後は、次の就職先が挙げられます。建築業からの需要が安定して高い傾向があります。溶接作業は1日同じ体勢でいなければならないことも多く、体の負荷が大きい仕事です。体力に自信のある人が向いている仕事といえるでしょう。
自動車工場
プレス工程で成形済の自動車パーツを溶接していく作業をおこないます。自動車はひとつひとつのパーツが大きく、すべて人の手で溶接するのは困難です。大まかな部分は溶接ロボットが溶接し、小さなパーツや細かい部分の溶接や点検作業などは溶接資格を持つ技術者がおこないます。各自動車工場、担当パーツなどによって必要な溶接資格は異なります。ガス溶接技術者・アーク溶接技術者・アルミニウム溶接技術者あたりの溶接資格が一般的のようです。ガス溶接技術者とアーク溶接技術者は資格取得が比較的簡単なので、自動車工場で働きたい場合、持っておくと就職・転職に有利になります。
造船所
造船所では溶接技術を持った職人が不可欠です。造船所も自動車工場と同様に大きなパーツに関しては溶接ロボットが溶接作業をおこなっています。しかし海の上で浸水などしたら大惨事。細かな部分は熟練の職人の手が必要です。大型船となると完成するには年単位の期間がかかります。日本製の船は世界でも高い需要があり、世界を航行中の船のうち、3分の1が日本製といわれています。瀬戸内海周辺では多くの造船メーカーが軒を連ねており、溶接技術者の高い需要が見込まれます。
ビル建設現場
建設中の高層マンションやオフィスビルの建築現場などが仕事場になります。直接現場に出向いて作業しなければならないため、工場でおこなう溶接より難易度は高め。高い技術力が求められます。配管の接合部の溶接や加工部の溶接作業をおこない、現場によってアーク溶接技術者やPC工法溶接技能者などプラスで取得していると活躍の場が広がります。
ガス溶接技能者として3年実務経験を積むと「ガス溶接主任作業者」の資格にチャレンジすることもできます。ガス溶接主任作業者はガス溶接技能者の上級にあたる資格です。「ガス集合溶接装置」や「アセチレン集合溶接装置」を溶接に使用する施設では、法令で設置が義務づけられています。就職・転職にも有利になるため、溶接業界で働いていくのであれば、取得しておいて損はありません。
ガス溶接技能者の取得方法
ガス溶接技術者は、ガス溶接技能講習を受講し、試験に合格すれば取得ができます。受験条件は18歳以上であることのみ。ガス溶接技能講習は全国で受講可能ですが、都道府県ごとに開催場所は異なります。合格難易度も低めであり、講習をしっかり聞いていれば、ほぼ合格するとされています。
講習と試験は2日間計13時間でおこなわれます。実施内容は1日目に学科講習8時間、2日目に実技講習5時間です。学科講習では、
・ガス溶接の業務で使用する設備の仕組みと取扱方法についての知識
・ガス溶接の業務で使用する可燃性ガスと危険性についての知識
・関係法令について
などの3科目について学び、講習後には学科試験を受けることになります。正答率が全体の60%かつ、受講3科目それぞれ40%以上が合格の目安です。講習をしっかり聞き、理解していれば難しくはありません。リラックスして臨みましょう。
実技については、試験は設けられておらず、実技講習のみです。体験前に設備の扱い方の説明を受け、実際の作業工程を体験することになります。危険性を理解し、講師の指示に従い慎重に扱うようにしましょう。
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